著作者だけしか持てない権利が存在する目的って何?
誰しも譲歩できない著作者の「気持ち」を守る権利
自分が創作した作品を「我が子」と呼ぶ人もいるくらい著作者は作品かなり相当な特別な思い、感情をもつのは当然じゃないでしょうか。
それを傷つけられないように守るというのが著作者人格権です。
著作財産権とは違い、著作者人格は誰かに譲ることなどできません。
これを一身専属性と申します。
著作者人格権で保護される権利は大きく分けて3つあげられます。
著作人格権で守られる3つ!
公表権
自分自身の著作権でいまだに世に出ていないものを公表するが、公表するなら?どういった方法なのかなを決める権利。
「いい作品なので」と第三者が勝手の公表することは公表権侵害に該当します。
氏名表示権
自分自身の著作物を世の中に公表するとき、著作名の名前に対して決めることができる権利。
名前を表示するのかどうなのか?表示すると考えて実名か?ペンネーム用いるか?著作者自らが決めることができるのです。
同一性保持権
自分自身の著作物のタイトル(題名)や内容を、意に反して自分勝手に改変されない権利。
著作者人権について最も重要な権利です。
よく似た権利として著作財産権の翻案権がございます。
「勝手に変えるな!」と言うことの権利は著作者人格権の一つである翻案権でもある点はこれまでにも記しています。
著作物を改変する行いは、この二つの権利に当たるおそれもあります。
誰にも譲られない著作者人格権とは違って、著作財産権は他人に譲られていて、第三者が権利者となっていることもあり、改変するときは著作者と著作権者の両方の許諾を得なくてはいけません。
著作者の名誉や声望を害する行いはやらない!
著作権法111条6項により「著作者の名誉または声望を害する方法によりその著作物を利用する行為」は著作者人格権の侵害とみなされます。
このことは著作者が亡くなられてからも同じ(著作権法60条)。
著作物を用いる場合は、著作者への尊敬する気持ちを自覚しておくようにしましょう。
やむを得ないと認められる改変は?
著作権人格権にも、著作者の許諾を得ずに著作物を利用可能なことになります。
公表されていない著作物の著作人権を譲渡した場合。
著作物の公表にも同意していると推定されます。
特別な事情がなければ、譲受人(ゆずりうけにん)が改めて著作者の同意を得ずに作品を公表しても公表権の損害にならない。
氏名表示について特に意向が示されていない場合でも、作品に作者として著作者の名前が表示されているなら、それをそのまま表示すれば氏名表示権侵害にならない。
さらに、「著作者が創作者であることを主張する利益を害する恐れがないと認められる」、「公正な慣行に反していない」場合は、氏名表示が省略できます。
店内BGMとして音楽を流すときに、著作者名をアナウンスしなくてもOKなのはこのことからです。
同一性保持権についても例外規定が複数あげられます。
一つ目、学校教育の目的と用字(ようじ)や用語(ようご)の変更これ以外にの改変する場合、低学年向けの教材に使うことを考えて漢字をひらがなに変えたりする改変がこれに該当します。
著作者にだって本来の意味合いが変わるということを嫌うことだってあるでしょう?
二つ目、建築物にかかる制限。実用性を考慮すると増築、改築、修繕でデザインを改変する点は仕方のないこと。
三つ目、プログラムの著作物に関しての改変。
コンピューターOSのバージョンアップでプログラムを書き換える必要が生じる場合ようなことは改変が認められています。
四ツ目、「著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変」。
この「やむを得ないと認められる改変」はケースバイケースで認識されていて、受け入れられることがほとんどです。
もちろん主張が通らないこともあるでしょうが、この適用除外は覚えていれば役立つシーンが多いことでしょう?
許諾なく著作物の利用できる例
公表権
著作者の同意が推定される場合の著作物の公表
氏名表示権
公正な慣行に合致する著作者名の表示
著作者が創作者であることを主張する利益を害する恐れがなく、公正な慣行に反しない場合の著作者名の表示
同一性保持権
学校教育の目的上、やむを得ない改変
建築物の増改築などに伴う改変
プログラムの著作物について、プログラムの利用に伴う改変
著作物の性質並びに利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変
それぞれ具体的にどういった場合に適用除外となるか?状況次第で適用除外してもらえないケースも見られ、個別に考慮していくことが大事です。
このようなお話があるのです。
有名な事例ですから平井和正ファンだとしたらご存知はずです?
「狼男だよ」の改竄を編集者がやり、著作、創作者の平井和正氏は憤慨しいろんなところで記載されたのです。
ページ数のどこをどういう感じで改竄しているなど、読み方を変えたり漢字を変える、ひらがなにするなどなど、1ページや2ページどころではないのです。
そのような改竄が同意もなしにしているのです。
創作物が別物となることを恐れた平井和正氏は会社と闘います。
マンガ原作者(8マン)として成功していたが、SF小説家では始めたばかりで、この事件が元凶で仕事を冷遇されたそうです。
賛成した編集者が、他の出版社から出版されております。
「狼男だよ」は、ウルフガイシリーズという形で大ヒット、少年・犬神明シリーズも書かれ、幻魔大戦は少年週刊誌に石ノ森章太郎氏と共作で書かれましたが、時代が二人に追いつくということが出来ずに途中で打ちきりでした。
いずれアニメとして劇場で観られました。
そういうこともあり、平井和正氏はSF小説家としてデビューするわけですが、ウルフガイシリーズ、幻魔大戦の小説からファンという立場で、あとで少年時代の「8マン」の原作者である事実を知ることとなって、凄く勝手でしょうが縁を感じあらゆる作品を読破したわけです。
本の表紙などは、スターウォーズのポスターも担当した生頼範義(おおらいのりよし)のイラストは素晴らしかった。
幻魔大戦は、平井和正版と石ノ森章太郎版がありまして、時がくれば一つの幻魔大戦に変化すると言っていたが、叶わぬ夢になったのがファンとして淋しいです。
しかしながら、平井和正先生の作品はたくさんのSF作家にバトンタッチされています。
日本のアニメはすごい、世界へと羽ばたき、ちょっとですが時代が追いついて来ているイメージで、SFは堪らない!
平井和正さんサンキュー!